ソフトブラkisa ユーザーインタビュー
西内貴紗さん
先天性の脳性麻痺さん。笑い上戸。服が大好き。
私の「下着の正解」がここにあった
2022年11月のある日、oucaの優季さんから「ノンワイヤーのブラジャーができました!」と
声をかけてもらい、この下着を試着しました。
私は常々「できればノーブラで過ごしたい」と思って生きていました。
なぜそう思うのか、このブラを試着するまで無自覚だったのですが、oucaに関わっていく中で、その理由が分かったのです。
「ワイヤー入りのブラだと締め付けがあり呼吸が浅くなりがち。これなら心地良く着られる!」
私は脳性まひにより筋肉が緊張して体が動かしづらいです。着脱も難しく、呼吸が浅い。でも話すことは大好きで「全身」を使って声を発しています。全身を使うから、無自覚に疲れていることもよくあります。自分の下着生活を振り返る中で、「私は、筋肉が動かしにくいから、締め付けが強いと息がしづらい。だから、無意識にノーブラを求めていた」のだと気づいていきました。
今回のこのoucaのブラに出会い「ブラジャー=締め付けがあって当たり前」という思い込みを覆してもらいました。生地がモチッとしていて、軽い。よく伸びるのでスッと着脱しやすいです。
私の「下着の正解」がここにあった!と感じました。
今回、脳性麻痺のお二人にモデルをして頂きました。左からキサさんとトモヨさん
“モヤモヤ”を受け入れ、心を軽くしてくれる下着
「女性ならブラジャーを身につけるもの」という常識ってありますよね?でも、私はその常識に対応することが難しかったのです。特にそう思い始めたのは、新卒入社した会社でフルタイム勤務をするようになった頃からでした。
総務の仕事のため8時間はパソコンの前で座りっぱなし。家に帰ってブラを外すと跡がくっきりついていました。時間も身体も拘束される日々の中、「1人でいる時くらいはゆったり過ごしたい...!」と思い、ノーブラで過ごすようになっていたのです。
「みんなができていることが自分には難しい」というモヤモヤを感じていましたが、oucaはこの下着を通じて私のモヤモヤを受け入れ、心を軽くしてくれました。oucaのブラとショーツを使用して3ヶ月になりますが、機能面はもちろん満足ですが、身につけるたびに「優しいなぁ...」と思えたり、心地良い気持ちになれています。
貴紗さんから読者の皆様へのメッセージ
これは「障がいのある人のためだけ」に作られた下着ではありません。障がいや生活の中での不便を感じている人の声をじっくりと聞き、「多くの人にとっての心地良い物」を作っているのがoucaです。
大量生産の既製品と比べると小ロットのoucaの商品を初めて見たら「高い」と感じるかもしません。でも、1回だけ試着してみてください。きっと「違い」がわかりますから。実際に着てみると「高い」と思わなくなりますし、oucaからあなたへの優しさを感じてもらえると思います。
今後のoucaに希望すること
ブラの肩のストラップが幅広いので、服を着るとストラップが見えやすいところがあります。見えても良いように細いデザインだとどうでしょうか。あと、ブラだけだと、お腹の部分が空くのでタンクトップ・キャミソールと一体化したものがあると嬉しいです!
貴紗さん、インタビューありがとうございました。試着の時だけではなく、食事や買い物をしながら、何気ない会話や動作の中での気づきも多く、それらすべてが、このブラを開発する上で重要なものでした。
何度も試着をお願いし、率直な意見を伺って完成したソフトブラですが、これで完成ではありません。
これからも、心地いい下着生活が送れるよう、改良を重ねてまいります。